皆様薬草というとどのようなものを浮かべますでしょうか?今、漢方薬を想像された方もいらっしゃるでしょうし、西洋のハーブを想像された方もいらっしゃると思います。
実は薬草は日常生活の色々な部分で人間の健康維持の一部として取り入れられております。今回は実際どのような部分で取り上げられているか紹介していきましょう。
飲み物としての薬草
こちらは俗にいうハーブティーと言われるものです。カフェやエステなどで飲まれた経験がある方も多いのではないでしょうか?
ハーブは約4000年前にエジプトで発祥し、ギリシャで医療用の薬として重宝されてきました。現在では美容や健康のために飲むおしゃれなティーという印象がございますね。でもまだまだ敷居が高いという印象がある事でしょう。言ってしまうと、日頃日本の皆様が飲まれているお茶や麦茶もハーブティになります。如何でしょうか?そう考えると馴染みあるものではございませんか?
親しみを持った所でハーブティーを幾つか紹介していきます。
ハーブティーには葉の種類によって効能が変わってきます。例えば花粉症の時期ですと、ハーブ専門店ではエルダーフラワーというハーブが一番売れるそうです。エルダーフラワーはアレルギーの症状・抗炎症作用があり、花粉症の症状を穏やかにするため、求める方が増えていると考えられます。
胃腸に優しい薬草
サンザシ
中国の物産展に行くと赤い実が薄切りで乾燥した状態で売られているのを見かけると思います。それがサンザシになり、中国ではお菓子としても親しまれているようです。サンザシは特に肉の消化を強める効果があり、消化不良改善や血液の流れを良くすると言われております。
カモミール
優しい花の香りでお馴染みのハーブティ。アロマ精油では少しお値段が高いですが、人気のある薬草です。胃の調子が悪い時、下痢などの時は整腸作用がございます。また緊張を和らげる効果もあるので、大事な行事を控えている朝などはカモミールを取り入れてお腹も心も和らげてみませんか?
ビワ
木となると光を遮ってしまって場合によっては厄介者にされてしまうビワの葉ですが、大薬王樹と民間療法の薬草として親しまれてきました。胃腸を整えるだけでなく、アレルギー症状改善や高血圧などにも効果があり、寒くなる冬には重宝したくなるような薬草です。
クマザサ
1000m以上の山に登山をすると笹の葉畑が広がっているのをよく見かけると思います。あれがクマザサです。実はクマザサはお茶にもなります。クマザサをいつも飲まれている方は虚弱体質の改善があり、整腸作用は勿論の事、疲労回復や解毒作用もあるため疲れが蓄積している時にはぴったりのハーブです。
目に優しい薬草
菊花茶
中国の食材店だとお茶コーナーでよく見かける花茶。古くは浄化としてスピリチュアルな意味合いで飲まれてきました。効能としては目の疲れ改善や、めまい改善、高血圧の方にも良いとされております。菊の花の匂いが好きな上級者はそのまま飲んでも美味しいですが、クセが苦手という方はウーロン茶などと混ぜて飲むと飲みやすいと思います。
松葉茶
名前の通り赤松などの葉を使用したお茶になります。お湯を入れると針葉樹林の香りがし、飲む人の鼻を癒しリラックスさせます。効能としては目の疲労回復、白内障の予防、鉄の吸収を助ける貧血予防、デトックスの効果があります。
※松アレルギーの方の摂取はお控え下さい。
バタフライピー
熱いお湯に淹れると、お湯が青く染まる人気のオシャレなハーブティー。見ているだけでも目の保養になりますが、目の筋肉の緊張を緩和し、更には網膜のたんぱく質を助ける効果もあり、パソコン作業や目を酷使される方にはお薦めの薬草です。老眼予防としても知られております。
ストレスの多いときにお薦めの薬草
杜仲茶
薬局などでも売られていて、ダイエットなどで人気の出たお茶。杜仲と言われる木の葉を使用しております。少しクセのあるお茶ですが、ストレス耐性を強めたり肩こりの改善、肌の老化を遅らせる、メタボ耐性などに効果があり日頃ストレスの多い方にはお薦めのお茶になります。
ミント
鼻に近づけると爽やかな匂いが広がる薬草。ハーブティーにするとお口の中までも爽やかにして口臭予防の力を発揮してくれます。そんなミントにはストレスの緩和や体を冷ます効能があり、夏バテしやすい方にはお薦めです。この爽快感ある香りは中枢神経を刺激するので眠気覚ましとしても人気のある薬草です。
※妊婦されている方にはお薦めできません。
ローズマリー
お店の肉料理でよく使われる事でお馴染みの薬草。勿論ハーブティーで頂いても美味しいです。血流促進の効果があるので、むくみを解消し、疲労を回復させ記憶力と集中力を高めます。そのため若返りのハーブティーとして親しまれ、万年朗と呼ばれております。
※妊婦されている方、授乳中の方はお控え下さい。
アロマテラピーとしての薬草
ホテルやサロンに行くと仄かに優しい匂いが漂うことがございますね。あれがアロマオイルを炊いた、香りで心身を癒すアロマテラピーになります。効果は穏やかではございますが、香り成分が脳を刺激し吸い込んだ時の肺から体内へと巡って内臓の働きを活発にさせるため、美容やメンタル、健康面など様々な部分で期待がされております。精油は炊くだけでなくホホバオイル薄めて体に塗ってマッサージをしたりお風呂に入れたりもします。皮膚からも精油を吸収しますので色んな方法で精油を楽しむ事ができます。
ちなみに匂いを嗅いでいて癒されると感じたものは体に不足している成分であり、逆に何も匂わない、または臭いと感じたものは体に十分に足りている要素になります。
精油をブレンドしたい場合にお薦めの比率
まず、強く匂いを感じる精油(柑橘系、ミント系、スパイス系など)はトップとよばれます。次に優しい匂い、癒される匂いと感じる精油はミドル(花、ハーバル、フルーティ系)、何となく匂うものはベース(ウッド系、樹脂系)と呼びます。バランスの良い安定した匂いにするにはトップ3:ミドル5:ベース2にすると良いとされています。
精油の紹介
それでは、トップ・ミドル・ベースごとに精油を紹介していきましょう。
<トップノート>
種類 | 効能 |
---|---|
グレープフルーツ | 抗うつ、脂肪燃焼促進、体内活性化 |
オレンジ | 緊張緩和、食欲増進、不眠解消 |
ジンジャー | 体を温める、疲労改善、血流促進、冷え性改善 |
レモングラス | 虫よけ、消化促進、代謝促進 |
ミント | 眠気防止、疲労緩和、花粉症緩和、ストレス抑制、抗ウイルス |
ベルガモット | 精神安定、緊張緩和、消化促進、抗ウイルス |
カルダモン | 腹痛緩和、消化不良改善、緊張緩和 |
<ミドルノート>
種類 | 効能 |
---|---|
パルマローザ | 鎮静作用、保湿、皮膚再生、脳活性化、殺菌 |
ティートゥリー | 抗ウイルス、花粉症緩和、免疫向上、抗菌 |
ラベンダー | 肩こり改善、抗炎症、不眠改善、頭痛改善 |
ネロリ | 精神安定、女性ホルモンのバランス調整、美肌 |
ローズ | 鎮静作用、細胞促進、老化抑制、女性ホルモンの調整 |
イランイラン | 緊張緩和、鎮静作用、女性ホルモンの調整、自律神経調整 |
ゼラニウム | 抗ストレス、精神安定、女性ホルモンの調整、自律神経調整 |
カモミール | 不眠改善、緊張緩和、自律神経調整、ストレス緩和、抗炎症 |
<ベースノート>
種類 | 効能 |
---|---|
ヒノキ | 鎮静作用、肩こり改善、抗ウイルス、抗菌、血行促進 |
サンダルウッド | 抗うつ、不眠改善、緊張緩和、抗炎症、抗菌 |
バニラ | 緊張緩和、鎮静作用、体内ガスの排出 |
ミルラ | 殺菌、抗ウイルス、風邪予防、抗アレルギー、緊張緩和 |
ベンゾイン | 鎮静作用、皮膚再生、喉痛緩和、緊張緩和 |
パイン | 抗菌、抗ウイルス、疲労回復、呼吸器系の痛み改善 |
ホーウッド | 緊張緩和、鎮静作用、不眠対策、消臭、免疫力向上 |
ファーニードル | 抗菌、抗ウイルス、風邪予防、空気浄化 |
気になるアロマオイルは見つけられましたでしょうか?匂いも良く、体にも良い薬草のオイルは嬉しいことがいっぱいです。
皆様も自分に合った薬草を選び、よりハーブを取り入れた生活を送ってみてはいかがでしょうか?